

町村かな
TJ(トーンジュエル)
TJ・町村かなに見た、
プロとしてのライブアイドル
SNSを開けば日々「大切なお知らせ」が目に止まる。重要な規約違反、ファンとの私的交流……。辟易するような情報が飛び交う。しかし、当然だが誠実にライブアイドルとして日々活動している者も数多く存在する。今回は2026年6月にアイドル9年目。TJ(トーンジュエル)(以下TJ)の町村かなに話を伺った。偉大過ぎる先輩、彩瀬千聖の引退後もTJメンバーとして一人守り続ける彼女は今、何を思いアイドル活動を続けているのだろうか。
松原大輔 / 編集・ライター
「私はTJに入ってからずっと毎日動画更新をXでやっているんです。それを面白いねって、ファンやアイドルの方も見てくれています。だから、何か1つ続けるっていうのは大事だなと今のアイドル界の中で思います」
8年間ライブアイドルとして活動している町村かなに今のライブアイドルにとって何が大切かを聞いてみるとストレートに継続することの重要性が返ってきた。
石の上にも3年とは言うが、続けることは容易いことではない。確固たるデータがあるわけではないが、ライブアイドルにも3年の壁は確実に存在しており、グループが解散するか、本人が辞めるか、続けることが本当に難しい世界だ。
そんな中で8年間、ライブアイドルを続けているのだからまずそれだけでも凄いことだろう。一体何が町村を動かしているのだろうか。
「活動していく中で先輩がみんな卒業していったり自分の中でも色々あったけど、1度決めたことをやり抜くと決めているので。TJのトーンジュエルから続く伝統を守りたいんです。それを私は貫きたいなってずっと思っています」
伝統を守りたい。少し補足すると町村かなが今、所属しているTJはトーンジュエルを前身とするアイドルグループで2012年にデビューしている。その後、今の2015年にTJになり、10年以上活動しているグループである。■たった一人のグループ活動
グループといっても今は町村の一人体制となっており、その負担は大きいものとなる。2024年に10年を節目に先輩である彩瀬千聖が引退してからずっと一人でTJの看板を支えている。それはソロアイドルが一人で活動することとは訳が違う。
「全部一人でやんなきゃいけないし、ファンの期待に応えるっていう部分でも、私だけでっていうプレッシャーはあります。千聖さんの思いも受け取って、ファンの方の思いも受けとっていうのは重みがありますね」新メンバーを常に募集しているが正直、今、町村が持っているアイドルとしてのポテンシャルやプロとしての意識などを考えると、それに見合う人がみつからない、というのが正直なところだろう。
経験者の他のグループからの移籍などでもない限り、未経験の新人と組むのはやはりバランスが難しいのは想像に難くない。
とはいえアイドルになって8年。直近2年間は一人での活動だ。正直、日々のライブ活動に飽きはこないのだろうか。
「新しい出会いが嬉しいというのはあります。それにファンの方が“元気になったよ”と言ってくれたり、1つ1つの言葉で今頑張れています」
ファンの「ありがとう」「元気になった」など、その一言でアイドルはどれだけ報われるのか。その確かな答えを町村はもっている。そしてそれは先輩、彩瀬千聖からの教わった「プロとしての意識」があるからであろう。
「最初は私もひどかったんです。振りが覚えらんないということから始まって、それはありえないでしょっていう話から、パフォーマンスするのがまず1番最初のアイドルのやること。当然、それができないっていうのはまず論外だって注意されました。その次にお客さんのこともちゃんと考えようっていうのを教わりました」■先輩、彩瀬千聖に学んだライブアイドルのプロ意識
今でこそそつなくパフォーマンスをこなす町村だがデビューしてしばらくは厳しい時期もあった。
「次の段階に考えて行動しようっていうのを教えていただきました。それからそのプロ意識ですね。プロ意識を高めようってことを教わりましたね。プロ意識があったらそんなに太らないでしょって」
彩瀬も以前、インタビューした際には毎日のランニングなどで体型キープをしていると教えてくれたが、それでも「しんどい時はある」という話をしてくれていた。かくいう町村も太っていた時期があり、筋トレや散歩などで体重を落とし体型をキープするようになった。やはり彩瀬千聖という先輩の存在は大きかった。■町村の意識を変えたターニングポイント
彩瀬千聖の背中を追いかけながらも町村自身、この8年間で3回自身のターニングポイントとなる出来事があったという。
「一番最初は2019年の台湾遠征です。そこで殻を破れた感じですね。それから、後輩グループが出来たこと。先輩としての意識も出てきて。でも、その後輩に抜かれたっていう思いも正直あって、心を入れ替えて頑張りました。3回目は初めて自分の主催ライブが出来た時ですね。TJは歴史あるグループなのでそれまでは、以前からのファンに支えられていた感じもあったのですが、そこで新規の私のファンの方が出来て意識が変わりました」
長く活動しているからこそ、自身のターニングポイントをしっかりと把握している。そして、常に変えてきたのは取り組み方と意識である。■目の前のファンに楽しんでもらうライブアイドルの活動
そんな町村だが、今新たな壁にぶつかっている。それは一人でいることで起きてしまうファンのモチベーションの低下だ。
「やっぱり一人でやっているとファンのチベーション下がってるんだなっていうのがすごくわかるので、しんどさはあります。だからここ2年ぐらい、ビラ配りをしています。そこで知ってくれた新しい方がライブに来てくれた時、もっと頑張ってみようって気持ちになります」
活動9年目に入るアイドルがビラ配りをしている。どう思われるだろうか。SNSに書きこめばそれに対して「売れていない」などと批判が出ることだろう。だが、町村はプロのライブアイドルだ。
ライブハウスで日々パフォーマンスを行い、その時フロアにいる人々に楽しんでもらうことが仕事なのだ。自身が武道館やドームに立ちたいがためにアイドルをしているわけではない。
「フロアにいる人たちも、今まで色々あったと思うんです。その中で挫折した時に救える存在でありたいなって思ってます。パフォーマンスを見て元気になってもらえたら1番なんですけど、それこそ、このライブアイドルは距離感も近くて、特典会でも話せるので、そこでも元気づけることができると思うんです。私はそれが一番ですね」
今、目の前にいるファンに元気になってもらいたい。そのために活動を続ける町村。最後に今後の目標を聞いてみた。
「コロナ禍もあって生誕祭以外の主催ライブは中断していたんですがまた事務所のフェスや定期的に楽しい主催ライブもやりたいですね!」
常に笑顔でどこか抜けた感じもある町村。だがその芯は間違いなくライブアイドルのプロとしてのお手本であろう。町村はまだまだプロのライブアイドルとして走り続けるに違いない。
(C)LIVE ARTIST PRESS
(写真提供)CROWN BEATS
(インタビュー写真)編集部
©LIVE ARTIST PRESS All rights reserved.





















