
2026.6.6

花村ほのか
青山Rabness
前編
アイドルを続けられる本当のワケ
アイドルとしての生き方はそれぞれある。多くのグループを移籍しながら成長するものもいれば、ひとつのグループでやり抜くものもいる。ソロアイドルという選択肢もある。今回はそんな中で1つのグループ、青山Rabnessで自らの信念に基づきアイドル活動を続けている、6年目花村ほのかに話を聞いた。他のインタビューでは語られることのない、本音に迫る。
松原大輔 / 編集・ライター
デビュー直後に襲われたコロナ禍
―― 不運にもそれでデビューされてすぐコロナ禍に入るわけですよね。その時の状況、お気持ちはどうでしたか?
花村ほのか(以下、花村) 2020年1月24日にデビューして2カ月ほどはライブに出られていましたが、4月から緊急事態宣言でライブが中止になったんです。当然、レッスンも集まれないので、オンラインでやっていました。新曲を出しても無観客ライブ。正直、アイドルだったのは夢だったのかなって思うぐらい家にこもっていたので、その時期は本当に不安でした。――アイドルを初めてすぐということで本当に大変なスタートでしたね。
花村 特に春、夏ぐらいは何もできない状態が続いていたので、配信でファンの人と交流を図ってみたりしていました。新曲やMV撮影などで「活動できている」ってアイドルであることを実感していました。
―― そんな不安なスタートから6年。今や初期メンバーは岡元りこさんと2人になりました。駆け足ですが、この6年間メンバーを見送り、新メンバーを迎え入れる立場で過ごされてきました。残されたメンバーの気持ちというのは、どういうものなのでしょうか。
花村 そうですね、私は自分の性格的にも感情をガツンってぶつかりに行けないタイプなんです。辞めちゃうことも、「アイドルってこういうもんなんだよな」って納得させてきて……。毎日SNSでアイドルの“お知らせ”を目にしますが、そういうもんなんだろうなって思っていました。後から気付きましたが、そのことに関して感情に蓋をしていましたね。
――確かに連日、SNSではネガティブなライブアイドルの話題が飛び交いますからね。
花村 自分がアイドルを続けていく上で当然、感覚、気持ち、内面は変わっていきます。でも、どのメンバーが辞める時でも私は割とスンとしちゃってたんです。「うん、しょうがないね」みたいな。でも、やっぱり寂しかったなって思う。今みたいに7人で落ち着いたタイミングだと、このままこのメンバーで頑張りたいって思うんです。上手くいかないことが今までたくさんあって、自分ももっと辞めていったメンバーに対してできたことはあると感じてます。
――少し後悔もある感じですか?
花村 後悔とも違って、もっと自分が成長してちゃんとできていたら、いなくならなかったかな、とか思うと……。行かないでとか、寂しいとか、そんな気持ちは出せなくて、静かに受け入れるしかないみたいな感じになっちゃっていました。
辞めていくメンバーたちを見送るアイドルの本音
―― この6年間で他のメンバーを見送っていく中で、ご自身も心が折れる、無理かもと思われたことはありませんでしたか?
花村 正直、あります。
――どのような時が一番苦しかったですか。
花村 漠然とした不安に襲われる時、このままでいいのかなと。今振り返ると、もう全然大した悩みじゃなかったり、踏ん張れるでしょうみたいな感じなんですけどね。まだまだ未熟だったから、なんかもうダメかもとか、このままこれを続けていていいのかな、みたいな不安に襲われていました。もう就職しようと真剣に思っていました。友達にも「もうやめようと思うんだ」っていうところまで言っちゃったこともありました。
―― 辛い時期でしたね。普段から遊ぶこともなくかなりストイックに生活されていますよね。だから、遊びの誘惑にちょっと負けそうになったりはしませんでしたか?
花村 いいなって思うことはありました。でも、私の場合はコロナ禍があったので、そんなに派手に遊び回れる時期でもなかったことも幸いしたと振り返れば思います。コロナ禍があける頃にはもう自分の気持ちは完全にアイドルにシフトしていました。
―― なるほど。もう辞めたいという時期に最後に踏みとどまれた理由はなんだったんですか?
花村 運営の方とも話して、いろんな経験をさせてもらってく中での、一時的な迷いでもあったので辞めるにはまだ早いないう感じで自然と残れました。
―― まだアイドルとしてやり残したことがあった?
花村 そうですね。自分が憧れた景色はもっと大きなステージに立たないと見られない景色なので。ここでやめちゃっていいのかなという悔しさもあります。周りに流されてふわふわしてたところをしっかり立たせてもらいましたね。
アイドルを長く続けられている理由
―― 今年、7年目に入り、ライブアイドルとしても長く続けられているほうになります。長くこのグループにいられる理由には何があるのでしょうか?
花村 やっぱり気持ちの部分が自分にぴったりはまっていますよね。楽曲や衣装、コンセプトも大好きですしね。でも、もうここまで来たら、最後までやりきりたいっていう気持ちも正直あります。仮にここを辞めて違うところで活動しても、やりきれてないから、意味はないなってきっと思います。
グループも大好きだし、メンバーも大好きだし、今この活動している環境が私は大好きで、手放したくないなって思ってるので、最後までここで頑張りたいですね。――なるほど。少し先のお話ですが、アイドルを卒業した後のことを考えられたことはありますか?
花村 私はアイドルになりたくてアイドルになったので、じゃあ次は俳優になりたいとかはないですね。アイドルをやりきって、華々しく卒業したいです。
―― 今、SNSを見れば多くのアイドルのネガティブなニュースが飛び交っています。現役のアイドルとして率直にそのようなニュースが日々出てくることをどう思われますか?
花村 昔はまたやめてるよみたいに少し軽い感じに見ていたんです。でもここ数年、あまりにも多いですよね。アイドルを色々経験してくと、毎回読むたびに、本当はどうなんだろうって、そのニュースの裏を読むようになって悲しさが増えますね。
――そうですよね。長く活動していると、同じ時期にデビューしたり、対バンでご一緒したアイドルたちもいつの間にかいなくなるわけですよね。
花村 やっぱり寂しさはありますね。そこまで交流がなかったグループでも、やっぱりよく対バンで一緒になったりしていたグループの解散を知ると特にそうですね。
――やはり続けているからこその感情ですよね。最後にこれからの目標をお願いします。
花村 アイドルを全うしたいですね。マルチプレイヤーって言っているんですけど、誰が見てもそうだねって言ってもらえるぐらいアイドルとしてのスキルを磨きたいですね。なんでもできるアイドルになりたいです。グループとしては来年の7周年、KT Zepp Yokohamaでの開催が決定しています。絶対にここを満席にして、その先に繋がるライブをしたいですね。7周年で終わりではないから、その先を見ていける、ファンの方がこれからどうなるんだろうってワクワクをまた持ってもらえるような、そんなライブを届けられるように7人で頑張ります!
「なぜアイドルを続けられるのか」。筆者自身もこの質問を多くのアイドルに聞いてきたが、やはり共通するのは「諦めない心」だろう。なんとなく憧れからアイドルを始めても、みな途中でこれではダメだと気が付く。日々立つステージは決して大きくはない。時に数人のフロアもある。そんな中で持っているプロ意識こそ、花村ほのかを始めとする真のライブアイドルなのではないだろうか。ぜひ花村がアイドルをやり切るその日まで観ていきたい。

花村ほのか
青山Rabness
後編
アイドル活動で変わった
自分自身の中身
アイドル活動でこれまでにない自分に出会う。ステージに立つことで様々な気づきがあり、それが人として大きく成長させる。青山Rabnessの花村ほのかはアイドル活動でどう変わったのか聞いてみた。
松原大輔 / 編集・ライター
ライブアイドルを目指した理由
――ライブアイドルを目指したきっかけを教えてください。
花村ほのか(以下、花村) 意外かもしれませんがアイドルになりたいって小さい頃から思っていたわけではないんです。クラシックバレエや部活でステージ立つ機会はあり、ステージで踊るのが好きだったんです。――小さい頃からアイドルに憧れがあったわけではないんですね。
花村 はい。高校生の時に友達に勧められてアイドルを知りました。それで「わぁ素敵だな」ってアイドルに興味を持ち始めたんです。その中でぼんやりと、「アイドルなれたらいいな」って感覚が芽生えてきたんです。キラキラした衣装やペンライトいっぱいの景色、大きなステージに立てたらすごく楽しいだろうなっていうのをぼんやりと思ってました。――高校の頃にアイドルを知ったわけですね。そこからオーディションを受けられた。
花村 そうです。でも自分からオーディションを受ける自信はなく、しばらくはファンとして過ごしていました。元々勧めてくれた友達が今のグループのオーディション見つけて教えてくれたんです。それでちょっと受けてみるか、みたいな感じで一歩、踏み出してみたのがきっかけです。――初めて見たアイドルライブのことは覚えていますか?
花村 初めて近い距離でライブを見たのは、わーすたさんです。よみうりランドでした。
――それから、自分でもやってみたいと徐々に思うようになったわけですね。
花村 どちらかというとライブ映像の影響が大きいですね。ステージでキラキラして、汗をかきながら一生懸命踊って歌っている女の子たち。それを一生懸命応援するファンの人たちのその景色っていうのが憧れましたね。
――なるほど。アイドルの見る景色に憧れたんですね。それでも小さい頃からクラシックバレエなどでステージには立たれていましたよね。
花村 本当にステージにあがれるのはバレエをやっている時だけです。普段は授業で当てられるのも嫌なんです。人前でぱって注目されたら、今でも顔が真っ赤になっちゃうぐらい、得意じゃないんです。踊る時だけはステージに立てるみたいな感じです。
――クラシックバレエはずっとやられてダンスの基礎は身につけられてきたんですね。
花村 そうですね。幼稚園ぐらいから高校生まではしっかりとやっていました。今でも練習はしています。バレエは幼稚園のお友達と一緒に始めて、だんだん自分も好きになってきたんです。でも高校で部活もやりたいってなった時に両立が難しくて、最後は部活に打ち込んでいました。今でもずっとバレエは好きです。しなやかさは今のステージでも目指しているところです。
――そうだったんですね。高校の部活は何をやられていたんですか?
花村 部活はバトントワリングとチアダンス部です。どっちも女の子しかいない部活でした。
――確かにその2つとバレエの両立は難しそうですね。他に小さい頃、音楽に携わることなどはあったのでしょううか。
花村 小さい頃からピアノをやっていました。ピアノも楽しくて、むしろ運動がダメでした(笑)
――でもクラシックバレエでもチアダンスでも相当な運動神経と体力がいると思います。改めてその当時、こういう風になりたいという目標や人物はいましたか?
花村 特定の誰というわけではなくて、当時は自分も誰かの憧れになれるようなアイドルになりたいっていうのと、楽しく踊りたいっていう2つでしたね。でも=LOVEの野口衣織さんは好きでした!
――なるほど。そしてオーディションに合格されてアイドルデビューされたわけですが、ご家族はどんな反応でしたか?
花村 実は父には絶対反対されると思って、言わずに最初は黙っていました。でも流石にこれは言わないとまずいなと思い、伝えたんです。それでアイドルになるっていう話し合いをした時に、普段は怒ったことのない父なんですが、この時は怒られましたね。やっぱり親からしたら、普通に進学して、就職するが一番だと思うのは当然だと思います。
――確かにご両親からしたら心配ですよね。
花村 そうですね。だから両親とは在学中だけアイドル活動をするっていう約束をしたんです。でも、私は本気でアイドルをやりたい。しっかりと続けたいから、就職するとかではなくアイドル1本でやると実は決めていました。
――その覚悟、凄いですね。デビューライブはいかがでしたか?
花村 今まで、緊張してもダンスとかがとぶ、とかなかったんですけど、頭が真っ白になっちゃってました。たくさんお客さんを前に「何するんだっけ」みたいな感じになっちゃっていましたね。でも、たくさん練習してきたおかげで、体が覚えていて、歌えたし、踊れてはいました。緊張したけどすごく楽しくて、アイドルになれたっていう実感はありましたね。
――過去、バレエなどでもステージに立たれていますが違う緊張感でしたか。
花村 またちょっと違いましたね。歌も未経験だったので。元々歌うのは嫌いでしたしね(笑)
――歌が嫌いだったのですか?
花村 そうなんです。友達とカラオケに行けないんだって思われるのも恥ずかしいし、歌も上手じゃないから聞かれるのも恥ずかしいみたいなタイプです。歌に対しては不安が大きかったですね。
――普段はちょっとした人見知りみたいな感じになってしまうけど、ステージ上がる時にオンオフのスイッチを入れるタイプですか?
花村 意外とカチッと変わる。一応スイッチはありますね。背筋や気持ち伸びたりとかそんな感じです。
――リーダーとして引っ張ってかなきゃいけないという意識はありましたか?
花村 その時はまだリーダーではなかったのですが、一期生でここまで残ってきたので、引っ張らないといけないんだろうなって気持ちがありつつも、グループとしては大きな目標がはっきり定まっていたわけでもなかったので、今、目の前にあるやることに必死に食らいついていくという時期でしたね。
――今の目標はどうですか?
花村 今はドームやアリーナといった大きなステージに立ちたいです! 青山Rabnessが一般の人たちにも名前が知れ渡るようなグループになりたいとメンバー同士でよく言っています。
――アイドルは花村さんにとってはどういった存在ですか?
花村 不思議な存在ですね。言葉1つ、歌1つで見ている人の気持ちを動かすことができる。そういう力をやってくうちに知ってきました。自分たちが必死にステージに立ったら見ている人に伝わるんだな、気持ち1つ変えるだけで、「今日のライブすごくよかった」って言ってもらえたりとかもする。ちゃんと気持ちって伝わるんだと思います。
――この6年間の中で自分の意識は変わってきましたか?
花村 自分の人としても、性格とか中身自体がすごく変わったと思っています。昔は人のこと考える余裕は全然なかった。アイドルになりたい動機も自分がメインでした。でも今はそうではなくて、メンバー、お客さん、周りの人のことを考えられるように変わっていると思います。
クラシックバレエをベースにアイドルの世界へ飛び込んだ花村。恥ずかしやな性格も活動を通して徐々に変わってきたことがうかがえた。アイドルはファンだけでなく自分自身をも変える力があるのだろう。SNS
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